

「おっとろしや、うまい瓜ができた。」
アルコール性認知症の利用者の驚きの言葉である。通所当初は幻覚妄想が顕著で重度DCでは適応できないのではないか?と心配するスタッフが殆どであった。薬物依存特有のせっかちで、待つことのできない状況になるため、無断離院の可能性が強く、対応しにくいということで真網代重度DCに紹介いただいたケースである。
現在は、重度DC園芸クラブには欠かせないメンバーである。園芸だけが、本人回復につながったのではなく、副院長の精神療法、重度DCの他のプログラム、スタッフの献身的な看護と介護、メンバーの自助グループでの援助など本人にとって、居心地のよい場所になったと思われる。(スタッフの献身的姿勢には頭が下がる。)
園芸には、日々成長し続ける花や野菜を自ら育てる行為は、その過程において「きれいだね、かわいいね」といった快感情をもたらし、成長への期待感や意欲の向上につながる。園芸は「安上がりの健康法」といわれるように、基本的な運動機能の維持・回復にも役立てられる。花は多くの人が好ましいと感じ、人に緊張を与えることが少ないうえ共感を呼び自然な会話が生まれ、コミュニケーションがとりやすくなる。植物は鮮やかな色、さわり心地のよい葉、好ましい香り、そして食用になる点から、人の五感を刺激する。ごく自然に生活の中に溶け込み、楽しみながら得られる効果により心身の状況の調整を図ることができる。といわれている。
今回のケースでは、植物を育てることで 植物に対する思いやりや、優しさが芽生え、「暑い日が続いている。早く水やらないと。やりすぎてもいけない。」、「水やると生きいきしている」など、今まで自分の事だけしか考えられない状況であったが、他者の気持ちを察することができるようになってきている。
私は、20数年前に入社。当時は介護職であった。自分の最初の仕事は環境整備(トイレ掃除)と園芸作業が主であった。昨年異動し、真網代の重度DCで猫の額程の畑を開墾し初心にかえる。青峰会創始者の上村弘光先生のことば「利用者の方と一緒になって汗をかく園芸はいいですよ」を思いだす。当時の自分は良い所だけを提供しようとしていた。また、知識技術の押し売りをしていたように思う、反省している。共に汗をかき、共に喜ぶ、苦しみや悲しみを共感する。ありのままを提供できるようになるには、時間を要したように思う。高齢者に対して利用者の立場に立ち、日本の『侘び寂び、間』を提供できるように、安心感を得てもらえるような環境や看護を提供していきたいと考える。
この地域では農業に従事していた人が多い。重度の認知症の方でもそっと手を伸ばし収穫を楽しむ、そんな自然な園芸クラブを続けていきたいものである。
真網代認知症病棟担当 看護副部長 浜田 剛光

平成6年にオープンした真網代の盆踊りの歴史は古く?開院した翌年に始まった。毎年、部署持ち回りで実行委員長を担当する仕組みになっている。今年担当すれば次回は8年後である。たいていは初心者マークの若手スタッフが担当する。いわゆる若手職員が部署の垣根を越えて、病院全体のリーダーシップを取る唯一の機会なのである。そして各部署の実行委員(これもまた初心者マークのスタッフが多い)が実行委員長を支えそれぞれの部署の音頭を取る。各部署の役職者は極力裏方に徹し見守る。
平成22年8月10日、記念すべき15回目の盆踊り大会も無事終了した。いつものことであるが実行委員長は普段の業務では味わえない苦悩と喜びを体験することとなる。汗と涙に彩られた人間模様が盆踊り大会を作っていく。事あるごとに「もう、ようしません。できません」。途中で何度聞くことだろう実行委員長のつぶやき。
日常業務をこなしながら、本番が近づくと公休も率先して出てきての準備、家に帰っても頭から離れない1ヵ月半の苦悩。「事務長が夢に出てきた」という今年担当のN実行委員長。苦しければ苦しいほど成し遂げた喜びは大きい。部署仲間の協力もありがたく身にしみる。
当日、大勢の家族や近隣住民の方、小中学生で大賑わいとなり1ヵ月半の苦労が吹き飛ぶ。病院全体が盛り上がる唯一のイベント行事の裏には、人を成長させるさまざまなドラマがある。
真網代くじらリハビリテーション病院 看護部長 尾上 博和

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美味しそうな大判焼き。なかなか手慣れたもんですね。 |

女装やかぶり物はまるで学祭のよう?
楽しく盆おどりを盛り上げた新卒リハスタッフ |

地元のチビッ子やご父兄の方々も大集合してくれました。 |

いつも白衣ですが今日は浴衣でおもてなし |
8月6日(木)18時半より真網代くじらリハビリテーション病院にて、患者さまと地域の方々、職員が参加した盆踊り大会を開催しました。時折、雨も降る中、たくさんの方に集まっていただき、本当にありがとうございました。